『爆裂!ドラゴン飯店!!』『爆裂!ドラゴン飯店!!』このお話は、フリーページに掲載している『鬼ヶ島のドラゴン』く と 『迷子のパンおじさん』くの続編です。 が!内容は続いて無いので、気にせずお読み下さい。 羅漢塾、そこは漢の花園! 鍛え抜かれた男達が漢となるところ! 常人の立ち入る余地の無い、この道場を、人は鬼の集う場所として恐れていた! なんの間違いか、この鬼ヶ島に迷い込んだ、ほのぼのパンおじさんが、無理矢理稽古に参加させて頂いたり、嫌やっちゅうのに、元立ちをさせられたりした話は、また次回の講釈に譲るとして、今回は命からがら鬼ヶ島を脱出したパンおじさんの後日談をしましょう。 羅漢塾を飛び出した生王が、半死半生のまま、何処とも知れぬ阪神西宮付近をうろうろと迷っていた時の事。 どこからともなく美味しそうな匂いが漂ってきました。 飢え死に寸前の生存本能に導かれ、暗い路地を通り抜け、怪しげな店の軒先をくぐり抜けて、たどり着いたのは、一軒の店(?) 本当に店か? 普通なら疑うところです。 それもその筈、そこは暖簾こそ架かっているものの、中は、廃墟と化した空き家だったのです。 しかし、空腹の為、正常な判断力を失った生王には、 店→食い物としか考えられません。 なにも考えずに暖簾をくぐり、辺りを見回しました。 すると、壁に何やら書かれているようです。 お品書きと思い、覗き込んで見ると、 『ここまで入った方は、1000円頂きます。』 と書いて有りました。 これを読んだ生王は、流石に気味が悪く………、なりませんでした。 とにかく、なにか食べる事以外には、頭が働かないようです。 気にせず、匂いのする方へ、突き進んで行きました。 次の部屋へ入ると 『ここまで入った方は、2000円頂きます。』 おいおい! どうやら、ぼったくりの店みたいです。 ロクに売り物も置いていないくせに、金取る気だけは満々です! これ以上、入ると命に関わる! 関わると言っとろうが! 人がせっかく忠告しているのに、生王は、脇目も振らず、その辺を掘っています。 お前はラモか!? そんな心の声も届かないのか、一心不乱に掘り進めて、なんと!チャーシューを掘り出しました!!! なんか2種類あるみたいです。 ロースとバラ肉かな? と、解説してる間に、生王はチャーシューを銜えて逃走にかかっています! 「がるるるるるる!!!」 既に野獣化しています。 もはや、人の言葉は通じないでしょう。 さらば、生王。 と、その時! 「いらっしゃいませ!おっちゃん、ラーメンどないや?!」 「ラーメン???食う!!!」 生王、人として復活したようです。 「オッサン、運ええのう。今やったら、サービスでチャ-シューメンでも600円で食えるでえ!」 「がるる、チャーシューメン?600円?」 野獣化しかけた脳で必死に財布の中を計算します。 財布を逆さに振って、なけなしの600円を払い、チャ-シューメンを注文しました。 「オッサン、なんか哀れやからライスをおまけで付けといたるわ!」 意外とこの店の主人、良い人のようです! おお!旨そうなラーメン定食!! 旨い!本当に旨い!! とんこつベースのスープですが、それだけじゃない。 しょうゆの煮込み汁の旨さが効いている、いわゆるしょうゆトンコツ! 麺はコクの有るスープにぴったりの太めのストレート麺、麺自体の味も良し!! そこに乗っているのは、あのチャーシュー!! ちょっと淡泊な味わいのこのチャーシューは、ラーメンの上に乗ったときに、その真価を発揮する!! 濃厚なラーメンスープに負けない味わい! 噛みしめるほどに旨味が出てくるこの幸福!! 生王は久しぶりに、本当に久しぶりに、人並みな食事を取ることが出来ました・・・・・・・・・、 「はい、料金、30600円ね!」 「なにぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!! ラーメンは600円ちゅうたやろ!!!」 「ラーメンは、600円やけど、部屋代が、ここに来るまでに10000円と20000円って書いてあったやろ?」 「部屋代なんか取るなあああああ!!! だいたい、1000円と2000円やろが!!」 しかし、無情にも店主が指し示す先をよく見ると、最後に小さな0が一つづつ付いていたのだった・・・・。 「払えんのやったら、借りてきてもらおか?」 「借りるってどこで?」 なんと!今まで気づきませんでしたが、お隣は、金融関係のお店のようです。 「ここの放出中古車センターで足りん分借りてきてもらおか!」 「なんで、サラ金が中古車センター???」 「つまらん事気にしてる身分ちゃうど!!とっとと、借りてこんかい!!!」 哀れ、生王、サラ金地獄に堕ちるか!! 次回、『金融界の達人』 に、火車カッター!!!! ジャンル別一覧
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